Cannondaleが出す軽量アルミフレームCAADシリーズを除いて、ロードバイク業界の中核となるフレーム素材はカーボンになりつつあります。
軽量、頑丈、振動吸収と良い事尽くめでありますが、横方向からの圧に弱い点は見逃せません。
数十万円もするフレームを傷めずにメンテナンスするためにも、カーボンロード乗りとしては持っておく工具のひとつだと思います。
トルクレンチとは
そもそもトルクとは何でしょうか。簡単にまとめると “ねじる力” と表せそうです。
トルク(英語: torque)とは、力学において、ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸の周りの力のモーメントである。一般的には「ねじりの強さ」として表される。力矩、ねじりモーメントとも言う。
引用元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%AF
カーボン素材は横方向からの圧に弱いと申し上げましたが、手の感覚で占めるとパーツごとに定められている上限のねじる力、すなわちトルクを軽くオーバーしてしまったり、はたまたねじりが足りなくて走行中にパーツが外れる等の危険があります。
すなわちトルクレンチとは、これだけのトルクで締めたい、を叶えるレンチになります。
大きく分けて、アナログ式とデジタル式があります。
アナログ式は規定トルクに達するとコクっと締め付け方向に感覚があります。
デジタル式は、締め付けトルクに達するとブザーが鳴ります。一般的にトルクに達する少し前から警告音がなり始めて、達するとブザーが鳴る、という仕様のものが多そうです。
自転車で使用するトルクの範囲と単位
基本的に、ロードバイクにおける締付けトルクの単位は「N・m(ニュートンメートル)」が用いられています。
使用する範囲としては、おおよそ3~50N・m になります。
では、1N・mはどのくらいの締め付ける力なのか?という事ですが、引用を用いると以下のようになるようです。
1ニュートンメートルは、「ある定点から1メートル隔たった点にその定点に向かって直角方向に1ニュートンの力を加えたときのその定点のまわりの力のモーメント」(計量単位令による)と定義されている。
ざっくり、1メートルの軽量レンチ(重さ0)に1ニュートンのちからを掛けた時に閉まる力 といった感じですね。
SK11のトルクレンチラインナップ
測定できるトルクの範囲が異なり、以下3種類のラインナップがあります。
- 1.5~30N・m
- 3~60N・m
- 6.8~135N・m
前の項でも言いましたが、ロードバイクで使用するトルクの範囲はおおよそ3~50N・mになります。1では上限30で足りず、3だと6.8以下で測れず、という風味になりますので、おのずと2のタイプになりますね。範囲的にも設計思想がロードバイク向けだと感じ取れます。
また、トルクレンチには 差込角 なる数値が記載されています。筆者は字から推察して、差し込める角度の限度だとおもっていましたが、そうではなく、装着できるソケットの大きさでした。
先程の型番に合わせて並べてみると以下のようになります。
- 1.5~30N・m 差込角: 9.5mm
- 3~60N・m 差込角: 9.5mm
- 6.8~135N・m 差込角: 9.5mm, 12.7mm
とりつけるソケットを購入する際は、同一角のソケットを買えば装着できる、という事です。
SK11 SDT3-060 開封
ちなみに、型番のSDT3-060の 3-060はお気付きかと思いますが、3~60N・mまで対応、という意味です。わかりやすいですね。
まずパッケージはこちら。予想していたより大きな箱でした。
外箱を開けると、保管用の箱が出てきます。更に開封してきましょう。
トルクレンチが現れました。電池と電池蓋を開けるためのプラスドライバーが付属しています。
重量を測ってみた所、以外に重量級で459g。500mlペットボトル1本と考えてもらえれば想像しやすいかと思います。
裏蓋をドライバーで開けて、
電池をセット。単4が2本ですね。
おまけ 同時購入したソケット TONE HH306
トルクレンチだけ購入しても、肝心の締め付けができませんので同時にソケットも購入しました。
SK11からも6角ソケットは出ているのですが、商品写真からみてそこまで高精度ではないような印象を感じました。
六角レンチですとホーザン(HOZAN)等が有名ですが、トネ(TONE)というメーカーも高精度で評判が良いようなので、数千円高いですがこちらを購入しました。
差込角は、9.5mmです。3,4,5,6,8,10mmの6本セットです。
3mmはビンディングシューズのクリート固定ボルト、
8mmはペダル、
10mmはスクエアテーパータイプのクランク? に使用しますが、車体の各所で使用するのは4, 5mmになります。
以下がパッケージです。工業製品感があっていいですね。
開封。写真からも精度の高さが伺えます。
使用感、まとめ
使用感としては、トルクを設定すればあとは音で知らせてくれるため、非常に使いやすいです。
注意点としては、音が鳴るだけで、締め付けようと思えばいくらでも締め付けられる点です。規定トルクに達したら空転すると思っている方もいるとおもうので参考まで。むしろいきなり空転したらぶつけて危ないですね。
欲しい機能としては、小数点第2位まで設定できるので、トルクの数値変更に少々時間がかかります。1クリック1N変更とかの設定もあると嬉しい。。。
大切なロードバイクを傷付けない為にも、一家に一台あると確実に幸せになれます。
コメント
コメント一覧 (2件)
Nix様、こんにちは、ビッキーと申します。
ご記事の執筆をお願いしたいのですが。
よろしいでしょうか?
詳細に関するはどうぞお気軽にご連絡してお願いいたします。
ビッキーさん コメントありがとうございます。 詳細お聞かせ下さい。